文人・富岡鉄斎といえば「煎茶」をイメージされる方が多いかと思いますが、いやいやどうして、「茶の湯」にもたいへん造詣が深い人物なのです。茶人、茶道具、茶書、茶室、庭園、伝統保持者など、総合芸術である「茶の湯」のあらゆる方面に興味を抱き、実地調査・研究を行い、関連の作品・資料を遺しています。本展では、その一端をご紹介しています。
前期展では、茶聖と称される千利休に関連する故事・逸話を描いた《北野大茶湯図》、《休師訪丿貫図》、《茶事秘録豊公秘話図》と、利休の孫・千宗旦にまつわる《宗旦狐図》まで、鉄斎が興味を寄せた茶人、茶事にかかる多彩な作品をご覧いただきます。あわせて京都の名工が手がけた器物に鉄斎が書画を揮毫した茶道具もご紹介しています。
「鉄斎と茶の湯」前期展は、鉄斎美術館別館「史料館」にて5月12(日)までです。是非、ご来館ください!