鉄斎美術館「聖光殿」に向かって左手に、こんな石碑があるのをご存じですか?
仏教の開祖であるお釈迦様の足形を石面に刻んだ「仏足石」の隣に並ぶこの石碑は、「辰馬悦叟君頌徳碑」といいます。
辰馬悦叟(1835~1920)とは明治・大正期の西宮の酒造家です。近代文人画の巨匠富岡鉄斎(1836~1924)と親交が深く、鉄斎作品を蒐集していたことでも知られています。現在そのコレクションの多くは、辰馬考古資料館の所蔵となっています。辰馬氏が清荒神清澄寺の篤信者であったことから、没後、境内に頌徳碑を建碑することになりました。当山第37世法主坂本光浄(1875~1969)は、石碑の篆額(一番上に刻まれた題字)を依頼するために、初めて京都の鉄斎を訪ねました。このときの縁が、鉄斎と光浄の交流に繋がりました。
ひっそりと佇む石碑は、辰馬氏と清荒神、そして清荒神と鉄斎の縁を今に伝えています。
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